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あめ色に軟化腐敗した根
(発病初期〜中期は白色の健全根も混在)

黒褐色に変色した地際茎
「疫病」や「根腐病」は、Phytophthora(フィトフトラ)属菌やPythium(ピシウム)属菌という卵菌というグループに分類される病原によって引き起こされる様々な植物種での病害の名称として主に用いられています。当ホームページでも既に他の植物種で紹介していますね。
卵菌の仲間は、例えば灰色かびや麹かびといった菌類とは大きく異なる特徴を持つことから、現在では分類上区別して位置づけられています。疫病や根腐病など「卵菌」による病害にほぼ特化した効能を持つ農薬が存在するのも他の「カビ」との大きな違いによるものと思います。
ガーベラでも「疫病」「根腐病」と呼ばれる病害があります。病原菌の種は異なるものの、ガーベラの場合はいずれもPhytophthora(フィトフトラ)属菌が病原とされています。
ガーベラ疫病(Phytophthora nicotianae)
ガーベラ根腐病(Phytophthora cryptogea, Phytophthora megasperma)
海外ではそれらに加えてPythium(ピシウム)属菌によるガーベラの病害も知られているほか、国内でもイチゴやバラの根腐症状の病原菌として知られているPythium helicoides(ピシウム ヘリコイデス)が接種試験ではガーベラにも病原性を示したとの報告があります。右の写真は、ロックウール栽培のガーベラで、萎れて枯死する株が多く見られたことから調査した時のものですが、根があめ色に褐変腐敗していたり、地際茎まで黒変するなど疫病や根腐病を思わせる症状でした。しかし、腐敗部位からは、Pythium属菌のみが分離され、Pythium属菌による病害であろうと推定しました。
このようにガーベラに感染しうる卵菌の仲間は多いであろうと考えられますが、ガーベラで萎凋・枯死症状を生じる病害は卵菌によるもの以外にもいくつか知られています。病原により可能な対処も異なってきますので、「下葉から枯れが進む」、「生育が悪くなった」、「萎凋・枯死株が出た」等の異変に気づいた場合には調査を依頼されることをお勧めします。(2008.8.1) |